今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
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宿屋四郎兵衛の辛談辛語
No.20
「“強く悩み迷うことから本当の確信が生まれる”」
(問屋連盟通信 2010年3月20日より)
問屋連盟通信 - 辛談辛語〜五木寛之『他力』より
激震の社長交代劇
 衣料不況が長引く中で止まることなく成長を続けるファッションカジュアルSPAのリーダー的存在の(株)ポイント。いまやユニクロを展開するファーストリテーリングと共に日本を代表するファッションビジネスだ。
 会長でオーナーでもある福田三千男氏によって、今日の発展の基盤が構築されたとはいえ、その後の経済変動の中でも変わることなく高成長を維持してきた功績は、現社長石井稔晃氏の力量に俟つところ大であったろう。
 (株)ポイントは、3月2日付で後任社長未定のまま石井社長の退任を発表した(当面、社長代行として遠藤専務執行役員を昇格)。福田会長は現職を継続するという。
 繊研新聞3/3日付の記事によると、
「石井社長の退任について福田会長は“4年間の業績は同業他社に比べはるかに高かった”としながらも、“長期的な戦略を構築する上で、現状の環境認識などについてギャップがあった”と言及。“取締役には今までの延長線ではない部分で物を考えて欲しいと要請しているが、そこを考えあぐねたのではないか”と振り返った」とある。
 同紙4日付の解説記事では、「突然の退任は、12年3月から始まる次期中期計画策定中に起こった。現中期計画最終年度の12年2月期は連結売上高1150億円、営業利益200億円の目標を掲げ、ほぼ射程内にある。問題はその先だ。」と伝えている。

延長線上に成長はない
 (株)ポイントが、いくつかの有力ブランドを展開していることはよく知られている。
 中でも、現在の成長を可能にしてきたのは、石井社長が直轄するメインブランド「ローリーズファーム」を軸としたSPAの躍進にあることも、その業績が証明している。
 当然、次期中期計画の柱にも「ローリーズファーム」を据え、現在のビジネスモデルにさらに磨きをかけたいという想いは強かったに違いない。
 でも、オーナーの考えは違った。これまでの仕組みと矛盾するようなやり方を恐れずにチャレンジしていかないと今後の成長は見込めない。「現状の仕組みに満足するな」との叱咤が飛んだことが予想される。
 従来のカジュアルチェーン店が成し遂げ得なかった規模の拡大、そして高収益企業実現に向けて“世界的カジュアルファッション企業”にしたいという2人の想いは変わらないはずだ。
 「しかし具体的なやり方で意見は分かれた」(繊研新聞記事より)。

店頭型ビジネスモデル
 (株)ポイントの2010年2月期は、11期連続の増収増益になった模様と報じられている。一躍、時の人となった石井稔晃社長のメディアへの出演も目立っていた。
 成長率で見る限りポイントが、ユニクロに並ぶ「勝ち組」であることには間違いはない。でも、そこにオーナー福田氏が危うさを感じていたのではないか、と思われる。
 (株)ポイントは、SPA企業の代表のように言われるが(もっとも、SPAの定義などは存在しないが)、ユニクロと異なり、社内にデザイナー、パタンナー等の専門スタッフを擁していない。繊維専門商社との緊密な連携、精密な物流の仕組みで他社を圧倒する“アジル型”ビジネスモデルだ。
 適時・適品・適量のスピードを競う上での最適企業モデルを構築し、競合他社の一歩先をいくスタイルだ。
 このモデルこそ、消費者目線で店頭重視の商品企画に合致したスピードが生まれる。
最近のアパレル企業大手もこの手法を真似てか、経費的に“重い”モノ作りのスタッフを外部委託に換え、店頭起点重視の体制を確立している。アパレルメーカーと称しながら、社内スタッフは持たない仕組みだ。

企画型ビジネスモデル
 あくまでも憶測ではあるが、福田会長の考えは違った。
 今回の突然の社長解任とも思われる事態は、あのユニクロにも前例があった。2005年8月期の増収減益が明らかになるや、柳井会長は即座に当時の玉塚社長を更迭、自らが社長を兼務すると発表した。堅実経営の玉塚氏に飽き足らなさを感じていた、と伝えられた。
 (株)ポイント福田会長は、自ら社長に復帰する気はないようだ。そこに、柳井氏との違いがある。
 伝えられるところでは、福田会長はかねがね、「10年先を考えれば、今の延長線ではいけない」と語っていた模様だ。
会長の構想は、もっとポイント自身が川上にも入り込み、SPA色を強くしなければ高成長は望めない、との危機感を日々強めていったのではないかと思われる。
 福田会長のSPA構想は、デザイナーや生産の人材を自社で採用し、商社などのOEM(相手先ブランドによる生産)機能に頼らず、企画先行型MDによる素材からの差別化こそが本来のビジネスモデルである、との構想を抱いていたようだ。

企業における経営責任
 ユニクロ柳井氏の事例と異なり、福田会長は自ら社長として陣頭に立つ意向は示していない。あくまで後任人事で自身の構想を実現する社長を指名する。
 とはいえ、増収増益を続ける社長を解任した以上、今後の(株)ポイントの業績には従来の会長職以上の責任を福田氏自ら負わなければなるまい。正式に社長を選任するまでの間、社内の疑惑・混乱も考慮しなければなるまいが、すでに石井前社長の方針の下、事業は進行している。
 日経MJ紙3/3日付によると、
「ポイントは百貨店に本格進出する。4月上旬、同社の複数ブランドを集めた業態“コレクトポイント”を大丸京都店(京都市)に開く。出店拡大を目指すポイントと、新規客の呼び込みを狙う百貨店の思惑が一致した。有力専門店の百貨店進出にも弾みがつきそうだ」と報じている。
 現在は、ファッションビルやショッピングセンター(SC)が中心の展開だけに、大丸京都店のような百貨店への本格的出店は初めての試み。
 コレクトポイントの規模は約350平米。「ローリーズファーム」をはじめ「ジーナシス」「ヘザー」など、有力4ブランドを集結させるという。
 百貨店を主戦場としてきた大手アパレルメーカーが、対百貨店ウエイトを減らしつつある中でのカジュアル専門店の百貨店進出だ。
 従来路線からの決別を選択した福田会長兼オーナーの手腕が問われることになる。

経営に必要な『他力』
五木寛之著『他力』は、大乱世を生きる100のヒントを私たちに示している。
その第38番目のヒントが、“強く悩み迷うことから本当の確信が生まれる”だ。
五木氏は、「精神というものは、思考や記憶というふうに受けとられがちです。しかし人間には感情というものがあります。感情というものは非常に揺れ動き、とらえどころのないものです。また、感情というのはこれまで、思考に比べて一段低いものとして見られてきました」と述べている。
 恐らく福田会長にも石井社長に対して、企画路線の違いとは別のある種の感情があったのかもしれない。その感情がどういう結果を生み出すかは、これからのことだ。
しかし五木氏は「深く絶望する人間にしか強い希望は掴めません。強く悩み、強く迷う人間にしか本当の確信は得られないのです」と喝破している。
福田会長の強く、深い悩みが、新生ポイント誕生への確信であることを願いたい。
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