今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi 今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi 今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi 今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi 今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi

今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
宿屋四郎兵衛の辛談辛語
No.11
「「素人」がファッションの「プロ」をリードする時代」
(問屋連盟通信 2009年11月1日より)
問屋連盟通信 - 辛談辛語「つまらない服」の時代
 10月13日、日頃から親しくし、またいろんな情報を提供してくれる大学院生から、「ドン・キホーテで700円ジーンズを出すようですよ、可能なんですかね」とケータイ・メールに飛び込んできた。
 でも、メールの本題は、ジーンズにあらず、「ヨウジ・ヤマモト」の民事再生法申請がショックであったようだ。彼にとってのヨウジは、一時期ケンゾー、イッセイさんや川久保怜らと共に日本を代表するデザイナーであり、世界のファッション界をリードしてきた実績の持ち主だけに「そんなことってあり?」くらいの衝撃であったようだ。
 ハナエ・モリの例もあるし、事情はそれぞれだけどデザイナーとしての名声だけで事業を継続していくことには、無理があるね。何より消費者がそのブランドをどう評価するかの問題だからね。あるいは、ヨウジ・ヤマモトなんて、今の世代にとっては「聞いたことないね、関係ないよ」と軽く一蹴されそうだね、と返事しておいた。
 今の消費者にとってヨウジ・ヤマモトが必要なのではなく、ユニクロに代表されるようなファッション的には「つまらない服」(『世界』10月号・横森美奈子氏寄稿より)が求められているのだ。

「690円」ジーンズ
 一時は、ファッションの世界を目指した彼にとって、自分の「人生哲学」を否定されたような回答には相当不満であったようだ。なにしろ、彼にとって、ヨウジ・ヤマモトは“神様”なのだから。
 鬱憤を晴らすかのように「新宿のドンキに行ってきました。色はネイビーのみ、4サイズ、メンズ展開、中国製、素材の綿はよくない、でもファスナーはYKKでしたよ。H&Mよりミシン糸の始末も悪いですね、とても日本人には売れないでしょうね、ユニクロとは違いますよ」と彼のメールは叫ぶ。
 “驚安(きょうやす)”ジーンズ、ドン・キホーテの発表では「レディス3型、綿・ポリエステル・ウレタン混でウエストサイズは5。メンズ1型で綿100%、ウエストサイズは6、傘下入りした長崎屋スタッフが中国に生産委託した」とある。東京から北海道まで、11月までに220店で売り出すと強気だ。
 ただ、コスト面から考えてこのビジネスが継続できるかどうかは疑問だし、ドンキの一種の「客寄せ」商品に過ぎないとの指摘もある。

1億本の争奪戦
 Gパンと言われたジーンズ、歴史はゴールドラッシュに沸く19世紀後半の米国で金鉱掘りのための丈夫な作業着として誕生したもの。発明者はドイツ系移民のリーバイ・ストラウス氏、会社としての「リーバイス社」創業は、1853年と言われている(例のペリー提督率いる米国艦隊が浦賀沖に現れた年)。
 以来、作業着からファッションアイテムとして年間世界中で25億本、日本に限っては1億本以上が販売されていると推定されている。かっては、リーバイス、エドウイン、ビッグジョンなど少数ブランドの牙城。一時は欧米から「プレミアム・ジーンズ」と呼ばれる高級品が話題を攫った時代もあった。
 現在、ジーンズの販売はユニクロを筆頭に、いわゆる全国展開するカジュアル系専門店チェーンの主力アイテム。ジーンズの販売動向が、これら専門店チェーンの業績を大きく左右するに至っている。なかでも、ユニクロは、1000万本以上の実績でトップシェアを誇っている。
 ジーンズの象徴でもある「ヒップポケット」デザインの優位性は消滅したのだ。あたかも、ワンポイント・ブランドがその優位性をなくしたことと軌を一にしているといえるだろう。

殴り込んだ「西友」価格
 ジャスコやイトーヨーカ堂に大きく後れを取り、世界のウオルマートの傘下に入った西友、業績の回復・今後の見通し不透明と評される中で、「1480円ジーンズ」を発売し、その存在感を示したことが、今回のジーンズ戦争の発端となる。
 負けじとファーストリテイリング系「ジーユー」990円、イオン・ダイエー880円、さらに西友850円、そして、ドンキの690円と続く。
 各社とも原料調達や縫製の工程を見直して、従来の中国製(ベトナム、カンボジア等)よりさらなる低価格を実現したとしている。伸縮性ある素材を使うなど機能面での工夫も強調している。
 だが、すでに一部では色落ちや、サイズが少ない等の難点も指摘されており、実際には低価格品としての限界もある。

西友製850円を購入す
 ここまでジーンズがヒートアップしてくると、元来ジーンズ派ではないが、試着してみたい欲望に駆られる。
 今でも現役で着用しているのは、2年前に買った「ラングラー」(エドウイン社、中国製、綿100%、合成皮革のラベル付き)、小売価格6500円程度であったか。ジーンズ特有の生地の固さで、股上が浅いため着脱に苦労するものの着用感は悪くない。洗濯を繰り返しても穿き心地も変わらない。
 西友製850円にチャレンジする。綿100%、バングラディシュ製、ヒップポケットのデザインなどに工夫はない。洗濯時の注意事項(色落ち)が気にはなるが、股上が深く着脱は容易。生地は従来モノと比べて薄く、柔らかい。どの程度洗濯に耐えるかは、まだ分からない。これからの評価となる。
 ファーストリテイリング柳井社長は、「(ファストリ傘下のジーユーが)990円のジーンズを発売した時は新しい価値創造があった。(他社が出した)880円や850円の商品は商品の価値を生んでおらず(そんな状況だと)最後は無料になるのでは」(MJ紙10/12付)と皮肉たっぷりに語っている。

JFW-JC展の試み
 10月7〜9日まで開催されたJFWジャパンクリエーションでは、日本のジーンズの良さをアピールするために、素材から副資材、加工、製品まで各段階でモノづくりにこだわる企業が集まったブースが目を引いた。日本ジーンズ協議会の会員企業を中心に23社が「ジーニズム・ジャパンクオリティ」をテーマにして出展した。
 日本のジーンズの生産背景や品質の高さの理解を求めると同時に、低価格商品と日本製の相違点、ブランド商品の価格設定理由などを小売店や消費者に伝えることが狙いであったろう。
 確かに見るべきものは多くあり、エコロジーを強調したオーガニックコットン、竹、和紙、大豆などの織りネーム、ノンホルマリンのラベル、メッキなしのボタン、再生ポリエステルのテープ、樹脂の引き手を使ったファスナーなど、プロを唸らせる工夫(これを価値創造というかどうか)が随所に見られた。
 こういった「プロ」の努力が果たして「素人」を感激させ、購買意欲に結びつけていけるのか、甚だ疑問だ。

「現象こそが事実」
 前述の横森美奈子氏(『世界』10月号より)は、「極端に言えば、ファッションのヒエラルキーが、デザイナーブランド>低価格量販ブランドだったものが、逆転して低価格量販ブランド>デザイナーブランドになってしまったという構造転換、いや地殻変動かもしれません。地殻変動のような状況なら、二度と元に戻すことはできないのに“元に戻れるのでは”とか“夢よもう一度”では、手抜き工事以外の結果しかないでしょう。でも変動したところに立って素直に見れば、また新たな視野が開けたり、何か違うものを発見(金脈とか?)できたりするかもしれません」と述べている。
 現象そのものを容認しない限り、ファッションビジネスに明日はないのだ。
←
←
↑
→
↑
copyright IMAJUKU by IMASHUKU