今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
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宿屋四郎兵衛の辛談辛語
No.54
「消費者は“損をする”ということを極端に嫌います!」
(問屋連盟通信 2011年8月20日号より)
問屋連盟通信 - 辛談辛語死語化するマル経・近経
 セミナーなどでは、調子に乗ると未だに「マル経」だの、「近経」だのと言ってしまって、ハッとすることがある。このことは、以前の号でも猛省を込めて記したはずなのに、どうも進歩がない。
 マル経とは、マルクス経済学のことで、近経とは近代経済学のことだが、こんな言葉は、もはや「死語」であって何の意味もない。後輩の中小企業診断士諸君からも「それは、何のことですか」との質問を受けてしまう。難関を突破してきた逸材?だけに、「ソレッ」とつい自慢話へと道が逸れてしまう。
 先日のあるセミナーでかなりの年輩の主催者側の方から「中小企業の説明で、あの発言はいけません」とお叱りを受けてしまった。今どき、マル経なんて言ったって知る人もいるまいと思ったのが、中には居られた。
 口が滑って、戦前の山田盛太郎著『日本資本主義発達史』などの講釈、我ながら笑止千万な失言であった。

「経済学」の新しい潮流
 偶々、高校生が大学進学に当たって進路を決めるためのガイダンス本の執筆を依頼された。
 実務のコンサルタントとしては、「経済学」というと、つい構えてしまうものだが、今の「経済学」は、何のことはない、平素いかにすれば売上げが上げられるか、利益が残せるか、と頭を悩ませていることを、失礼ながらやたら海外の「ノーベル賞」受賞者だの、著名な学者の皆さんが、いろんな理論付けをして、誠にもっともらしく論じているに過ぎないもののような気がする。
 フリードリヒ・エンゲルスの『空想より科学』の方が、よほど学問らしく思えるようでは、自分が、やはり“時代遅れの男”なのかと、多少はがっかりしてしまう。
 余談はさておき、経済を考える時に重要なこととして、一つは「顧客の心理」を抜きにできない時代になっているということ。いわば、心理学的見地から経済を考えねばならないのが、日本のような成熟化社会の「経済学」なのだ。

「行動経済学」の登場
 すなわち、人間の非合理的行動を解明する「行動経済学」の登場だ。
 最近まで、経済学においては、消費者の心理を研究の対象外と見ていたのだ。
 元々、経済学なる学問が誕生したアダム・スミスの時代、あるいは近経の父ケインズにおいては、多少ではあるが消費行動と人々との心理について言及されていた。これは、アダム・スミスの『国富論』や『道徳感情論』といった著作に散見されている事実ではある。
 近経(近代経済学)は「消費者を、想定する経済の主体として合理的に計算して、自分の利益を最大にするように売買するという、ホモ・エコノミカス(経済人)を前提に理論を組み立て、出てきた仮説をデータに使って実証する」という科学的手法で発展してきた。
 1980年代までは、これが標準的な「経済学」であったが、その後、多くの経済学者の地道なアンケートや消費者調査が行われ、人間の非合理的側面が人びとの消費行動に大きな影響を及ぼすことが、「経済学」においても無視することができなくなってきた。

ノーベル経済学賞受賞
 すなわち、2002年には、「行動経済学」のダニエル・カーネマンと「実験経済学」のバーノン・スミスの二人にノーベル経済学賞が与えられ、ここに「行動経済学」が広く認められるに至ったのである。
 考えてみれば、それまでの「経済学」という学問も“時代遅れ”の側面が強く、「なぜ消費者が、破産してしまうまでクレジット・カードを使うのか」「分別あるご婦人が、なぜ信販経由で次々と高級呉服を買うのか」ということが、近経では(もちろん、マル経でも)まるで説明できない。
 それが、マーケティングや消費者行動の調査専門家に聞くと、そんなことを経済学者は知らないの?という反応に驚き、2007年には「行動経済学会」が誕生した、というから恐れ入る。
 なるほど、研究を重ねてみると、こういった消費者の非合理的側面も「経済学」の分野で説明できることが次々と明らかになってきた。

試着室に入ったお客は購入率が高い
 消費者が、「なぜ値下げすると、ものを買うのか」「値下げ札は、なぜ赤札なのか」なんてことは、これまで自分が消費者の立場に立てば理解できる経験則であり、それが消費者心理というものよ!ということが、「経済学」における理論として裏付けられるようになった。
 さらに、百貨店で「試着室に入ったお客の購入率が高くなる」ことも、また、スーパーで備え付けの「カゴ」だけでなく、「カート」を利用するお客の買物量は多い、などの事例は経験則だけではなく、本当に汎用性があるのかどうか、消費者心理のさらに奥まで探れる理論として確立しようとの研究が積み重ねられてきている。
 消費購買力が大きく落ち込む中で、消費者は、案外に必需品などは極端に引締める一方で、娯楽やゲーム機用PCといった不要不急のものには、徹夜してでも買いたいというシグナルを売り手に送っている。
要は、消費者の琴線に触れないものは売れないこともハッキリした。

“損を嫌う”消費者
 例えば、ユニクロの「ヒートテック」なる肌着、在庫が増えるにつれて、月末の何日間だけは、近隣の店舗でマークダウンして販売されるという事実が知れ渡ると、もはや普通の日には買わない、「損した」気分を持つためだ。
 その反面、今夏のように「電力不足」に脅かされて、消費者は思わず余計な冷房器具を衝動的に買ってしまう。ユニクロ始め多くの小売店は、早くも冬に向かって防寒肌着の衝動買いを囃したてている。
 このように消費者には、合理性と非合理性が共存しているという「経済学」にとっての研究課題が潤沢にあるのだ。
 消費者と小売店との接点は、「買物すること」にあり、これを「経済学」では“情報の非対称性”というのだが、要するに、消費者は、この商品が、この品質で、この価格が妥当であるかどうかは分からない。例えば、
 1200円のTシャツと980円のTシャツと、どう品質が違うかは分からない。しかし、消費者は節約することを通して、常に賢い買い手になろうとしており、一方で、売り手はもっと売るために買い手の潜在的な欲求とか、買う動機が知りたい、と日々考え抜いている。
 売れない時代のカギは、買い手に「買う動機」をいかに用意できるかにあることとなる。“損を嫌う”買い手にいかに満足を与えられるかだ。
 「行動経済学」とは、人間の損得に関わる学問であり、ズバリ「消費者ビジネス」なのだ。

プロスペクト理論思考
 今回は、「経済学」についての話になってしまったので、心理的な行動が説明できる行動経済学の柱となる、「プロスペクト理論」について説明しておきたい。
 これは、百貨店内でショップを持つ大手アパレルの販売マニュアルにも明記され、また新人教育の基本ともなることだが、「とにかく、試着室でお召しになって」と、お奨めできるかどうか、が販売の決め手となる。
 買い手が、試着室で実際に身に付けるのと、付けないのとでは、まったく心理状態が変わってしまうという消費者心理を知り抜いた店長の経験則からきている。
実際に着用することで、消費者は価格に見合った自分のための商品であることに納得するという「損失回避の心理」を起こさせるわけである。
 プロスペクト理論とは、図表(1)のように、「例えば金額をどれだけもらったら自分はどの程度満足するか、あるいは損失した場合の満足度を、関数やグラフで表したもの」なのだ。
 従来の経済学では、「いくら富を持っているか」という絶対額で測るのを、プロスペクト理論では、持っている金額から、「そこからどのくらい儲かるのか、損するのか」との、損得を測る、そこに「買う、買わない」が決められるという理論だ。

消費者心理から「販売する仕掛け」を創り出す
 一時話題となった高級呉服の「高級ホテルや豪華客船での催事」販売、ワンランク上の乗用車を販売する極意、百貨店における極上客の接待手法の時代から、今は通販における「クーリングオフ制度」や「中古車の下取り」など多くの仕掛けが考案されてきた。
 近くは、百貨店や大手アパレル、GMSさらには郊外型紳士服店による商品の「下取りセール」という、消費者心理を活用した販売手法も一般化した。どこかで、こんな催事をやったとなれば、すぐさま真似をされることも止むを得ない。
消費者も「お宅はやらないの?」と催促されてしまう。消費者心理を知ることが「経済学」なのだ。

双曲線割引の積極活用
 行動経済学におけるもう一つの代表的な理論に「双曲線割引」という考えがある。
 これは、図表(2)を見て欲しい。詳しい学問的説明は省くが、要は「割引率」に関する消費者の受け止め方、心理にある。過去は、ホントにシーズン末にならないと「値下げ販売」は行わない慣例であったが、今はご存知の通り、シーズンが始まると同時に“若干の割引”が始まる。
 名目はショップによって様々だが、結局のところ年中“割引セール”をやっていることになる。人間はどんどん“せっかち”になっているという心理分析を理論化したものと言えるだろう。
 何カ月か先の半額より、今の1割引きに購買心理は働くのだ。セールの早期化に批判は絶えないが、結局のところ、消費者心理には勝てないという「行動経済学」の論理ではある。 
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