宿屋四郎兵衛 「辛口ワンポイント」 （2003.9.1〜2005.4.20） No. 1 ●事業に失敗するコツ 「事業に失敗するコツ」がある、と聞き、早速手に入れた。世の中、「再生だ」、「改革・革新だ」と目の回る忙しさ。あれも、これもで、一体何をやればいいのかも判らない。TVコマーシャルに出て来るところの「浮いて、流されているのよ」が、現実か。しかし、世の中には腹の座った人もいるもの、きちんと先を見据えているから見事である。 　そのコツとは、 (1)旧来の方法が一番良いと信じていること。 (2)「もち」はもち屋だとうぬぼれていること。 (3)「ひま」がないといって本を読まぬこと。 (4)どうにかなると考えていること。 (5)「稼ぎに追いつく貧乏なし」と、むやみやたら骨を折ること。 (6)「良いものは黙っていても売れる」と安心していること。 (7)「高い給料は出せない」といって人を安く使うこと。 (8)支払いは延ばす方が得だとなるべく支払わぬ工夫をすること。 (9)機械は高いといって人を使うこと。 (10)お客はわがまま過ぎると考えること。 (11)商売に人情は禁物だと考えること。 (12)そんなことは出来ないと改善せぬこと。 （「サンデー毎日」02/4/7号　岩見隆夫氏『サンデー時評』より） 　深く掘り下げて見ると学ぶことが実に多い。いつまでも流されることなく、先が見えないだけに本当の経営者の「決断」が必要な時なのだ。 ●先送りの許されない時代 今までは、全ての企業、業種・業態が右往左往してきた。 しかし、勝ち組は圧倒的に勝つ時代となり、また、戦い方は従来の手法と似ても似つかぬものになって来た。あの鎌倉武士が肝を潰したフビライ帝の大陸の戦法を思わせる衝撃ともいえる。 川上だの、川下だの言っている時代ではない。旧来の考えから抜け出せない企業、業種・業態は、アッという間に消滅してしまうことになる。 「今なら間に合う」かどうか、行動あるのみだ。 東京問屋連盟：問屋連盟通信：2003/9/1掲載