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宿屋四郎兵衛
「辛口ワンポイント」
(2003.9.1〜2005.4.20)
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No. 2 |
●スーパーエイジの時代
アメリカのディヒトバルトなる高齢者研究家が、自著『エイジ・ウエーブ』の中で現代の“老化恐怖症神話”6項目を上げ、同時にその全てを否定しているという(服部隆著『スーパーエイジ万歳』より)。
その神話とは、
(1)65歳以上は年寄りである、
(2)年寄りのほとんどは健康を害している、
(3)年寄りの頭は若者にように明敏でない、
(4)年寄りは非生産的である、
(5)年寄りは魅力がなく、セックスにも無縁である、
(7)年寄りは誰も皆同じようなものである、
と指摘した上で、これらを偏見として退けている。
有名なマムエル・ウルマンの“青春の詩”に曰く、「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう」。すなわち、スーパーエイジとは、“法定年齢”を超越した“自分自身の年齢”に他ならない。(1)暦年齢にとらわれず、(2)やりたい目標を持ち、(3)過去を振り返らず、(4)感動ある人生を生きることである。
生き甲斐とは、当に生きる目標設定であり、事業に対する執念である。今日まで築き上げてきた自分の事業への思い入れでなくてはなるまい。
●ナレッジ・マネジメント
このデフレが進行する今日、動乱期と表現する識者もいるが、むしろ安定期ともいえる。安定期の舵取りは、経営者が積み重ねてきた知識・情報を掘り起こし、また、多くの失敗経験を役立たせることに尽きるのである。
平安時代の院政、江戸期のご隠居の力を挙げるまでもなく、この時代を勝ち抜ける知恵は、現経営者が保持しているのである。安易なバトンタッチを選ばず、自分自身が身をもって前進することである。
●嫌われることを厭わず
今、日本全国の商店街は多くの中小商店が廃業に追い込まれ、店舗が激減するという大変な事態にある。もちろん、店主が体調を崩してしまい、後継者がいないので店を継続できないということも多い。
しかし、案外、注文の激減に気力を失くした店主が多いと思われる。時代のせいにし、廃業の潮時と結論付けてしまう。
今更売れる立地への移転を検討する気力もない。結果、“シャッター通り”が増えるのである。
事業に年齢など不要である。自信を持って、気力を振り絞り、お客様の声を聞くべきではないか。今日まで店を支えてくれたファン客に、そして新しい客に自分の商売哲学を披瀝しようではないか。
生き甲斐とは、「意識革命」である。今売れている店は、頑固な店主の思想に共鳴するファンの指示の結果でもある。 |
東京問屋連盟:問屋連盟通信:2003/9/20掲載 |
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