今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
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宿屋四郎兵衛
「辛口ワンポイント」
(2003.9.1〜2005.4.20)

No. 12
● 来街者の減少
横山町馬喰町の現金問屋街にお見えになるお客さんは年々減少していると言われている。といって、それを裏付けるデータがしっかりある訳では無いらしい。しかし、この地でずっと商売されている方のお話ともなれば、実際の調査なんぞより遥かに説得力がある、真実味のある話だと思っていい。
以前の新道通りの賑わいを知る人から見れば、今日の状況には当に“切歯扼腕”であろう。今後、如何にお客さんをこの地域に呼び込んでこれるか、各企業の死命を制する大問題であることは間違いの無いところである。それだけに多くの来街者呼び込みの方策が論じられ、中には既に実現されているものもある筈である。
卸から小売に業態転換し、もっと消費者を呼び込むべきだ、“土・日曜市”を開催したらどうか、“問屋市”にすればいいのではないか、中には新道通りの直線500mを活用し、綱引き大会をやればテレビなどマスコミの取り上げるところとなり、知名度も上がるのではないか。何となく荒唐無稽ではあるが、“ヒョットしたら”と思えてくる。それくらい事態は切迫しているとも云える。
しかし、こういった大雑把な手法で買物客(小売店であると消費者であるとを問わず)を集めていくことが、本当にこの問屋街に求められていることなのか、と問い直してみる必要があるのではないか。

● 顧客管理
顧客管理というと何となく難しくなって話の本筋が見えなくなってしまう恐れはあるが、要は、お店は、いつもご愛顧頂いているお客さんを何人お持ちなんですか、ということ。これは、かの著名なドラッカー先生を持ち出すまでも無く、「顧客創造」こそマーケテイングの基本中の基本。これ無くして企業の成長などあり得ないのだ。当たり前のことながら、時代の流れで扱う商品も変われば、お客さんも歳を取る。同じお客さんが“奇跡的に“例えば10年間、変わらず来てくださる、そんな確率、どれくらいあるでしょうか。常識的にかなり低い数字になると思いませんか。
こんな数字で考えてみましょう。
以前から言われていることですが、ご愛顧頂くお客様(固定客)の数は、一般的に売場面積当り10人として、20坪のお店なら最低でも200人必要なんです。このお客さん、当然廃業されたり、また、扱い商品が変わったりで、平均して1年で15%位は変動する(今はもっと多いかも)ものとすると、固定客は4年目で半分になり、7年目で三分の一、15年もすると一割程度しか残っていないことになる。
これでは、当方も共倒れだ。せめて、前年の売上げを維持するべく、この減少分プラス10店位の固定客を、毎年、獲得すべく工夫・努力をすべきではないか。

●本当は、個店のやるべきことではないか
 誤解を恐れずに敢えて申し上げれば、来街者減少の本当の原因は、個店各社が、従来のお客さんに頼り切りで、自然減するお客さんに見合う顧客創造・固定客作りをしてこなかった結果ではないか、と思われる。勿論、魅力的で、新鮮な商品を用意することも大切なことであるが。
 街の知名度が失われているとすれば、それは横山町馬喰町の名前の所為でも無く、まして全国の商店街が衰退している、或いは、全国の小売店が減少しているという一般的経済現象の所為にすべきことではないのではないか。
 例えば、新道通りにある130余店、全ての企業が、勿論、今までのお客様を大切にしながら“顧客増強運動”を展開してはどうだろう。小売業の新しいタイプである業態店への卸業としての進出を図るべきではないか。
東京問屋連盟:問屋連盟通信:2004/3/1掲載
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