今塾 by 今宿博史 - 営業戦略おもてなしショップ - IMAJUKU by IMASHUKU Hiroshi
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宿屋四郎兵衛
「パワフルワンポイント」
(2005.5.20〜2007.6.1)

新春スペシャル 2006
“笑顔”が生み出す「個」対応マーケティング

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」
 この本(光文社新書)を一度でも店頭で手に取られたことあるでしょう。初版は、05年2月20日とある。12月10日現在、まだ多くの書店で平積みされている。とにかく売れているのだ。買い求めた新書の奥付を見ると、8月5日で18刷とある。この時点で「今年最大の新書ベストセラー 80万部」の文字が帯に躍っている。
 実は、それまで何回か手にとってはみたものの、なんとなくの胡散臭さに定価700円を惜しみ、購入に至らなかったのだが、遂に耐え切れず買ってしまった次第。「さおだけ屋」が本当に今でも存在するのかどうかは不明ながらも、著者自身一応は、さおだけ専門業者が多く存在していることを匂わせている。
 著者の年齢からして、まず実際に「さおだけ屋」に出会ったことはあるまいと思われるが、文中には「あるおばあさん(Aさん)の実際の体験談」が紹介されている。この「さおだけ屋、儲けのカラクリ」が事実とすれば、これは一時、新聞を賑わせていた「家屋調査」と称して床下にもぐりこみ、過重の工事を強引に行った「年寄り騙し」の施工業者と何ら変わらないのではない。
 しかし、この新書のサブタイトル、「身近な疑問からはじめる会計学」とある。さおだけ屋のビジネスについての事例には、まったく他意はなく、単なる「利益の出し方」を説明するだけの、いわば寓話であるに過ぎないのだ。
文中に読者を引き込む技術は見事ではある。

商売の本質を説く技術
「さおだけ屋」に注意を引きつけ、その上で、
(1)さおだけにはそもそも需要(ニーズ)がない
(2)さおだけ屋から買うメリットもない
としながら、決算書、売上・費用・利益の関係、「単価を上げる」ことの必要性、商売の本質などを解き明かしていく。
 自然に「会計」の仕組みを理解させようとの配慮なのだ。とくに、
・てっとり早く利益を出すためには、費用を減らすことを考えるほうが賢明
・節約は絶対額で考える
・費用対効果のウソ
などと続くとついコンサルタントの手前、ホロッときてしまい、「さおだけ屋」ビジネスの解説であったことを忘れてしまう。また、さおだけの業界団体から、著者のいう「売上単価を上げる」という詐欺まがいの商法についてのクレームがあったとは聞かない。
 大事なことは、「さおだけ屋」を新書のタイトルとしたことに注目しなければならない。さおだけ屋に続くエピソードの「ベッドタウンに高級フランス料理店の謎」以下、どのタイトルであってもこれらの事例では、読者の目は引くまい。少なくとも、他のタイトルでは新書は売れなかったと断言できよう。
著者の笑顔が目に浮かぶではないか。

繁盛するには訳がある
著者の(あるいは編集者の)見事なまでのマーケティング力であり、まさに商売の本質といえる。顧客をしっかり掴んでの企画・販売である。
タイトルに騙されたと思っても、もはや遅いのである。ぐいぐいと引き込まれる事例に圧倒され、「むずかしい」はずの「会計」に最後まで付き合わされるハメに陥る。しかし、結果として読者は、いつの間にか「会計」についての一応の知識は身に付けることができる。
この新書、「商品の売り方、見せ方」のヒントにするという意味で、まだお読みでない方には一読を勧めたい。
この著者、公認会計士ながら商品の提案力は抜群でほかにも著書が多数ある。宣伝するわけではないが、「女子大生会計士の事件簿」シリーズをはじめ、コミックスで「公認会計士 萌ちゃん」シリーズが出版されている。「会計」なんてどうころんでも普通なら専門書のテーマであるものを、見事にベストセラーに仕立て上げている。
考えてみると、これは「繁盛店」そのものではないか。古来、「繁盛店といわれるところ、必ずお客様の心を熟知して、その心理を巧みに動かし、賑わいを演出する」ことに長けているのだ。商人としては、著者山田真哉氏に「会計」ならぬ「繁盛店」の何たるかを学ばねばなるまい。
(1)お客様への心遣い
(2)接客が抜群だ
(3)誘導が巧み
(4)入りやすく見やすい
(5)よく工夫されている
(6)コーディネイト上手
(7)トレンディである
(8)品揃えが的確
(9)明るく好感が持てる
(10)また来てみたい
この新書から学ぶところを上げていくと限りがないのである。“ユニーク、かつ楽しさ”を感じさせる導入部分が繁盛店作りのコツであろう。
さらに、こだわって商品の見せ方について考えてみたい。いわゆる、ディスプレーである。

ディスプレーの技術
 誰もが問屋街に足を踏み入れると、その雑然さに驚く。建物の古さもあるかもしれない。代官山だの、原宿だのといったショップのメッカから来るとまさに好対照をなす。象徴としてのダンボール、10年前と比べて大幅に減少したとはいえ、まだまだ多い。が、これを「賑わい」の証拠として理解を示す方もこの街では決して少数派ではないはずだ。
 ダンボール販売は、売り手だけでなく、買い手にとっても見やすく、安心して買うことができる販売技法であることも事実だ。
小売店にとっては、品選びする上で恰好のディスプレーと言えなくもない。しかし、大量販売、大量消費の時代が過ぎ去り、在庫で苦しんだ問屋や小売店に代わって、適品不足に悩む新しい世代が台頭して来ていることにも注意しなければなるまい。
 見込み生産のリスクから、できるだけシーズン・イン直前まで発注せず、ぎりぎりまで引っ張り、その上で商品手当てをしたいという小売店・バイヤーが増えてきた。季節感の余裕無し、究極の「52週MD」時代が始まっている。
 GMSや量販店でもワゴンによる山積み販売が消え、少ない(適正と言うべきか)在庫での販売が一般化してきた。百貨店などまだまだ季節在庫の豊富感は残っており、売場を歩いても、逆にホッとすることはあるが、専門店街におけるショップなどの在庫の薄さは見事。
 量の時代は商品を店頭に積み上げればよかったのであるが、質の時代に入っては、店頭ディスプレーの技術がないと、売上は期待できなくなっている。ハイレベル化しているのだ。商品コンセプトが明確でなければディスプレーはできない時代でもある。
 「単品を並べて売った時代」→「単品を飾って見せた時代」→「トータルで見せた時代」→「他の小物などとの組み合わせの時代」を経て、「選ぶ楽しさを演出する時代」に入っている。
 今の小売店の店内は、明るく広く、すっきりであり、光と影、そして色(カラー)と音、加えて販売員の動きなどが重要な演出効果を発揮している。ディスプレー用の小道具も繊細だ。
 少ない商品で売上を維持し、高めることは並みの技術ではできない。
買っていただくべきお客様を明確に、そして、キチンとした対応をしないと売上にはつながらない。商品の品揃えに1点の無駄も許されないのだ。リピーター客の存在なくして売上はとれまい。
問屋街における小売店支援、いわゆるリテールサポート技術も単なる販売促進策では意味をなさない。何でもありの品揃えで「お好きなものをどうぞ」では、小売店の支援になるまい。

買いたくない顧客など存在しない
 販売員の重要性は今に始まったことではないが、今ほど販売員の必要性が高まっている時代はない。
 仕事で百貨店や各所の専門店、ショップを歩くことが多い。レディス店が多く、単独での行動は難しい。長年のキャリアもあり、さほど店内に入ることに抵抗はないが、販売員には直ぐに同業者と見ぬかれてしまう。これでは、本当の接客技術が見えない。
 幸い恰好の女性に恵まれており、いつもご一緒を願っている。ファッション・センス溢れる女性で、かなり突っ込んだ会話が販売員と交わせる点が魅力である。
 ショップの販売員の目に、二人の姿がどう映るのか、「ご夫婦ですか」、「若いお父様ですね」はお世辞、「?」の視線も結構感じる。お世辞でもなんでも、こうと決め込んで対応してくる販売員の接客術はさすがである。まず、同行の女性のファッションに興味を示す。靴からバックから髪の毛まで、お客を逸らさず、傷つけずさわやかに会話を交わす。
 ここが販売員と顧客との前哨戦、お互いのセンスが火花を散らす。合わないと感じると販売員は、スッと離れていく。今は、買わないお客はまずいない。買うつもりのない同行女史でも気に入ればつい買ってしまう。
 自分の意思に逆らって、販売員との会話の中で俄然購買意欲が湧き上がってくるようだ。お客をこのような気持ちにさせる技術こそ、絶品のセールストークなのである。
若くてファッションに興味を持つ若い女性であればあるほど、自由に自分を表現できるショップ等を仕事の場として選択してしまう。買う側が、「個」を主張すると同様に、売り手も「個」を主張するのだ。センスなく、自我をもたない販売員に接客の可能性はないともいえよう。
笑顔が接客の基本だ
 プロと呼ばれる販売員は、基本を第一に、
(1)顧客を持ち
(2)商品に詳しく
(3)心遣いができ
(4)臨機応変に動け
(5)ショーイングが巧み
であることが求められる。
加えて、ショップに合ったセンスを持ち、笑顔に優れていることだ。
 いくつものショップ、売場を歩き回って印象に残る店は、販売員の笑顔が決め手となっている。
 『ファッション販売』1月号(商業界)の特集のひとつに「売上げを伸ばす“笑顔の技術”」が取り上げられている。「接客業は笑顔が命」とのサブタイトルつきである。
 ファッション販売においては、究極の販売技術「笑顔」が切り札なのだ。
先進的な企業では、販売員個々の生まれながらの「笑顔」に頼るのではなく、全社挙げての徹底的「笑顔」作りに取り組んでいる。
お客の立場として見れば、「作り笑い」ほど嫌なものはない。それと判れば自然に足は外に向いてしまう、「お呼びでない!」のだ。「笑顔」の質が、販売員からのお客への重要なメッセージでもある。
 「笑顔」と「笑い」は、似て非なるものとはいうが、現実にその差を見分けるのは容易ではない。会社挙げて「笑顔」に取り組むといっても、自ずからそこには限界があると思われる。販売員個人の性格も大いに関係するだろうし、その日の体調が関係するかもしれない。
 「笑顔とはお客との距離を可能な限り短時間で縮め、密接なコミュニケーションを取っていくための技術」
中にはニコリともしない無愛想な販売員もいる。しかし、お客との一瞬のコミュニケーションは抜群だ。ここには見事な「笑顔」がある。ショップにはこういった女性が多いのも事実。この技術、天性のものであり、教えられるものではあるまい。
 お客様にモノを買ってもらうのは容易ではない。反面いつの時代になっても、お客さんはモノを買いたいのだ。お買い上げいただける環境作りで企業の格差が生まれる。
 このことは、通販だから、ネット販売だから「笑顔」が不要なのではあるまい。店頭以上の「笑顔」がなければ、お客が買うことはない。ポータルサイトにおける一瞬の笑顔が勝負を決めるともいえる。

“下流社会”の出現
 販売業とは、所詮、人材業である。世の中が高度化し、成熟化すればするほど社会は益々「個」に向かう。企業も「コミュニティビジネス」の方向が避けられなくなる。まして、ファッションビジネスの本質は、「個」客への対応であり、常にヒト対ヒトによって成立つ。ヒトをつくれない、個性を打ち出せない企業は淘汰されてきたし、この動きは今後加速するだろう。人材なくして企業は存立しない。
 06年の幕開けを予告するかのように、光文社新書が「下流社会 -新たな階層集団の出現」を出版した。昨年9月の初版で、年末にかけて大きな話題を提供している。
 「下流」とは、単に所得が低いことを意味しない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲など、生きることすべてへの意欲の低さを指している。
 日本全体に充満していた「中流」意識が薄れ、著者のいう「下流」階層が増えてくれば消費の2極化は明らか。企業は、「上流」に向けての新たな商品開発なくして売上の増加は望めない。
 問題は拡大化を遂げるという「下流」階層との取り組みだ。格差が広がる中で、働き方、モノの買い方、消費の仕方などが一層多様化する。新書には、自分らしさを求めるのは「下流」だとの指摘もある。この「個性・自分らしさ志向」の強さが、新しい人材を輩出する可能性を秘めている。自分らしさが「笑顔」を生むのだ。
買う人、売る人の差がなくなっていくのが「“個”の時代である」とすれば、「売る意欲」=「買う意欲」が均等化するのが、世の中の流れである。
 すでに、日本の人口は減少を始めた。世帯の数は、1人暮らしが増え、高齢化、晩婚化・未婚化、離婚の増加、少子化などで増加を続けるという。すでに顕在化しつつあるフリーターの存在、派遣社員、パート等の雇用形態の変質も経済の回復の中で、その存在が大きく先鋭化していくに違いない。
 時代の変化は急なのだ。
東京問屋連盟:問屋連盟通信:2006/1/1掲載
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